ダウン症に対する
電気刺激の効果に関する示唆
ロボットのように人間の脳にも
プログラムを送り込むことができる
我々は約10年前に低周波・中周波を用いてダウン症の発達障害の治療を開始した。
低周波・中周波を四肢から通電することによりダウン症児では言語障害や、運動機能が軽快しただけで(1)、その後のさらなる発達を望めるものではなかった。
しかし、偶然にこの低周波・中周波を用いた発達障害の治療で次のような興味深い観察結果を得た。
あるダウン症児の右手と左足を第一チャネルに、左手と右足を第二チャンネルにつなぎ、交互に2つのチャネルから電流を流して右手・左足と左手・右足に電流刺激を与えた。
ダウン症児はこの電流刺激前では両手で同時にしか太鼓をたたけなかったが、電流刺激後約1週間で右手、左手を交互に使い、太鼓をたたけるようになった。
これらの事実から末梢からの電流刺激は神経回路に働きかけ、何かを発達させる方向に働くことが示唆された。
参考文献
- (1)特許公報:特許第5053826号、平成24年10月24日